今回は当院の施術の軸でありターゲットでもある【筋膜の癒着のはがし方】と【筋膜の癒着の原因】についてご紹介させて頂きます!
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サマリー
筋膜の癒着のはがし方についてご説明するためにはまず【筋膜の癒着(きんまくのゆちゃく)】がなぜ・どのように起こっているのかを説明しなくてはなりません。
それでは一体、筋膜の癒着とはどんなものなのでしょうか?
筋膜の癒着とはなんだろう?
私は【筋膜の癒着】について説明するときに「”筋膜”(fascia/ファシア)とは筋肉を包み込んでいる膜のことであり、”癒着”とは筋肉にブレーキがかかったような状態です」と簡単に説明しています。
厳密にいうと、私の言う【筋膜の癒着】とは【疲労等の新陳代謝の結果、間質が狭まって間質液の流動性が低下した状態】と定義づけています。
このような状態になると筋肉の滑走が低下し、関節可動域の低下や痛みの原因となってくる上に、長期的に筋膜が癒着を起こした状態が続くとしびれなどの神経痛や筋肉の痛みのみならず関節の痛み・変形に進行する可能性があります。
当院の筋膜整体のテクニックでは筋膜を含めてこの間質にアプローチし、間質の空間と間質液の流動性を蘇らせることで人体の自己回復力・運動能力を向上させる目的で施術を行います。
それでは【間質】と【間質液】とは一体何なのでしょうか?以下にご説明させて頂きます。
間質と間質液について
まず【間質(かんしつ)】とは【筋肉と筋肉の間や内臓と内臓の間にある隙間(あるいは空間)】のことです。
以前にはこの【間質】は”単なる隙間”としか見られておらず、あまり注目されていませんでした。しかしながら、この”隙間”がなければ臓器は膨張できないし、筋肉や臓器が絶え間なく接触したりぶつかり合ってしまうことになります。
さらにはこの間質には【間質液(かんしつえき)】と呼ばれる液体で満たされており、間質液は潤滑油の役割を果たすことで筋肉や内臓が摩擦しダメージを受けることを防いでいるのです。
このように現在は【間質】と【間質液】は【機能を持った器官】であると再評価され、最先端の研究の分野として注目を浴びているのです。
筋膜のはがし方とは?
このように【筋膜の癒着=手術や炎症の結果、組織が不適切なつながりをもって修復されてしまった状態】を指すわけではないことがわかって頂けたかと思います。
それでは筋膜の癒着を剥がすためにはどうすればよいのでしょうか?結論から言うと【筋膜をとらえ・間質ごと圧着し・滑らす】ことです。
上述のように疲労をはじめとした新陳代謝の結果、間質が狭まり間質液の流動性が低下した状態が筋膜の癒着です。よって筋膜の癒着を剥がす(あるいは解除する)ためには間質の狭まった空間を蘇らせなければなりません。
そのためには組織同士を一度圧着し、筋膜ごと組織を逃がさないようにとらえたまま滑らす必要があります。そうすることで間質の空間と間質液の流動性が甦ってくるのです。
余談ですが、癒着を施術によって剥がしてもいずれは再び癒着が発生してきます。しかしながら、一度癒着を剥がしてあげれば以降は”一度剥がしたガムテープ”のように剥がれやすくなってきます。
最後に
今回はちょっと専門的な内容でご紹介をさせて頂きました。
筋膜をはがすテクニックは筋肉のもみほぐしとも違うし、関節の矯正でもないという従来の整体メソッドとは全く異なった方法であり、アクセス(あるいはアプローチ)しているレイヤー(階層)も全く異なります。
筋肉でも関節でもない【筋膜】をとらえる感覚は一般的ではないし、非日常的なものです。即ち、それなりの筋膜をとらえる修練と感覚の鍛錬を以ってしか施術できませんので、筋膜を専門とする施術者がなかなか増えないのはそのためではないかと私は考えています。
かたや2015年くらいからスマホの普及に伴って日本人の体質が変化し、筋肉や関節に問題が出ている人よりも筋膜などの表層に問題の原因を持っている人たちが増加しているように感じられます。
必ずしも筋膜ばかりをターゲットにすることが正解であるとは全く思いませんが、この筋膜の施術を通して皆様のお役に立てますよう今後も努力していく所存であります。