インナーマッスルと腰痛の関係について
回は【動き出した瞬間に腰が痛い】場合にどのような原因が考えられるか。そしてどのように施術するかについてご紹介させて頂きます。
「動き出した瞬間に痛い」現象のことを【初動痛(しょどうつう)】と言います。立ち上がった瞬間やソックスを履こうとした瞬間など、この初動痛に悩んでいる方は結構多いのではないでしょうか???
筋膜グリップの施術において初動痛の原因のほとんどはインナーマッスルとされています。今回は初動痛の原因となるインナーマッスルの中でも代表的な【腸腰筋(ちょうようきん)】についてご紹介しましょう。

◆腸腰筋とは!?

腸腰筋とは腰椎(背骨の中で腰の部分)から骨盤内部へと伸びているインナーマッスルのひとつであり、解剖学的には【大腰筋(だいようきん)】【腸骨筋(ちょうこつきん)】の2つが合して腸腰筋と呼ばれています。

 

 

筋肉の作用としては主に股関節周りを支える重要な役割を担っており、特に股関節が90度以上屈曲するときに活躍するため、骨折学では検査の指標とすることもあります(ルドルフ症候)。

◆腸腰筋への施術

インナーマッスルとは読んで字のごとく人体の内側に伸びている筋肉であり、外側からは触ることができません。それでは、なぜ筋膜整体の施術では腸腰筋へアプローチできるのでしょうか?

 

腸腰筋へのアプローチは施術者が股関節を特殊な肢位に誘導しつつ、股関節を運動させながら下腹部へ刺激を入れていきます。

 

 

【筋膜】はそれぞれの筋肉と連続性や関係性を持っているため、このような直接触れない遠隔的なアプローチも可能になるのです。

◆下腹部へのアプローチが何をもたらすか

今回は「初動痛とインナーマッスルの関連性」がテーマですが、こと腸腰筋(あるいは下腹部)への筋膜的アプローチが初動痛以外にも様々な恩恵をもたらすことが筋膜整体の施術家たちの臨床経験から確認されています。
詳しいメカニズムはまだ研究によって明らかになっていませんが、下腹部へ筋膜的にアプローチすると特に女性は生理痛が減弱するなど、女性特有のお悩みには有効なアプローチといって過言でないでしょう。

余談ですが、筋膜グリップの臨床家たちの中で【上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)】がやたら硬いなど、異常な硬結を認める場合に特に子宮筋腫が疑われるケースが・・・。

 

セルフチェックされてみて疑わしい方はお気を付けを・・・!!!

◆最後に

このように一般的には外側からアプローチできないはずのインナーマッスルへも筋膜整体はアプローチ可能です。
筋膜のつながりを通して行う施術のため、一見して関係なさそうな部位にも色々な関連性やアプローチが存在します。

あなたの腰の痛みがいつまでもよくならないのであれば、それは根本からアプローチの仕方を見直す必要があるのかもしれません。