今回は【お尻・股関節の筋肉が痛い】場合にどのような原因が考えられるか。そしてどのように施術するかについてご紹介させて頂きます。
詳しくは動画かサマリーをご覧ください!
サマリー
お尻、あるいは股関節周りには股関節の支えや運動に関与している筋肉が多く存在しています。
代表的なものとして、大臀筋(だいでんきん)、中臀筋(ちゅうでんきん)、小臀筋(しょうでんきん)がありますが、他にも梨状筋(りじょうきん)や双子筋(そうしきん)などの筋肉もあり、特に梨状筋については有名な【坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)】と深く関与している筋肉になります。
筋膜整体の理論において股関節周りの痛みは以下のような原因を疑います。
①膝や足首の問題
②呼吸力の低下
③噛み締め
④首のコンディションの不良
それではこれらはなぜ股関節周りの痛みや不調と関与しているのでしょうか?
◆膝・足首と股関節のカンケイ
筋膜グリップで下半身を語る際に外せないのが【足首・膝・股関節の三位一体論】です。
筋膜のつながりや運動学の観点から言っても股関節のコンディションと膝・足首は重要な関係性があり、それぞれが連動して動くことで歩行や起立・着席などの運動を起こしています。
言い方を変えれば膝や足首のコンディションが悪くなれば股関節のコンディションも悪くなってしまうということなのです。
◆呼吸力の低下
股関節周りの筋肉は呼吸に関与する筋肉(いわゆる呼吸筋)とは解剖学的に関与していません(大臀筋=呼吸筋ではないということ)。
それではなぜ股関節周りの筋肉が呼吸力の低下を引き起こすのでしょうか?
先日にご紹介させて頂きました【噛み締めをしている人の独特の緊張姿勢】にそのアンサーがあります。
噛み締めがある人は体の前面の筋膜に癒着や緊張が起こりやすいため、猫背で踏ん張っているような姿勢(ドラゴンボールでいう界王拳のようなポーズ)になってしまい、その姿勢が結果として股関節に負担をかけてしまうのです。
◆噛み締め
噛み締め・歯ぎしりがクセとしてある方は就寝時の呼吸が歯ぎしりによって乱れていることがあります。
また、筋膜整体の理論では噛み締めがクセとしてある方は体の前面の筋膜に癒着が起こりやすく、結果として上述のような緊張姿勢を作ってしまった結果、股関節周りの筋肉への負担が増大してしまうというわけです。
股関節周りの筋肉に痛みや不調を抱えている方、もしかして日中にやたら眠かったり、きちんと寝ていても疲れが取れていなかったりしませんか?
また、呼吸の乱れは自律神経の乱れにもつながります。胃腸の調子が悪いという方も、もしかしたら関係があるかも・・・?
◆首のコンディションの不良
首のコンディションの不良はあらゆる不調の原因となります。
股関節周りの筋肉の痛みとの関係について話すのであれば、首のコンディションの不良は以下のような不調を引き起こすため結果として股関節に負担をかけてしまいます。
①身体全体のバランスが崩れる(頭部を支えるバランスが不安定になるということ)
②腰の歪みや不調の原因になる
③前傾姿勢になってしまうことで胸郭(胸まわり)が潰されてしまう(=呼吸力の低下)
④腹部の筋肉の緊張・筋膜の癒着から生じるインナーマッスルの硬結(骨盤が後傾してしまう)
このようにお尻・股関節周りの筋肉の痛みや不調というのは実に多くの原因があるし、また不調の原因にもなるのです。
あなたの痛みがいつまでもよくならないのであれば、それは根本からアプローチの仕方を見直す必要があるのかもしれません。