今回は【片頭痛のセルフケア方法】についてご紹介させて頂きます!
詳しくは動画かサマリーをご覧ください↓
サマリー
●片頭痛の原因の一つに後頭下筋群(こうとうかきん)の硬結がある。
●後頭下筋の硬結は大後頭神経をはじめとした頭痛の原因となる神経を圧迫する。
●しかし、後頭下筋は表層の僧帽筋に覆われているため直接アプローチできない(指が届かない)。
●眼窩上孔(がんかじょうこう)を押圧すると後頭下筋に遠隔的にアプローチできる。
●よって片頭痛のセルフケアの際には眼窩上孔を10~15秒くらい押圧してみるのも良い。
後頭下筋群とは何だろう?
後頭下筋群(こうとうかきんぐん)とは頭蓋骨と頚椎(首の骨)上部を繋ぐ筋肉群のことを指し、以下の筋肉を総じて後頭下筋群と言います。
①大後頭直筋(だいこうとうちょっきん)
②小後頭直筋(しょうこうとうちょっきん)、
③上頭斜筋(じょうとうしゃきん)
④下頭斜筋(かとうしゃきん)
上述の後頭下筋群の周囲には大後頭神経、小後頭神経、後頭下神経といった神経が走っており、これらが後頭下筋群の硬結に伴い締め付けられると後頭部や側頭部の神経痛や頭痛を引き起こす原因となるのです。
後頭下筋群にアプローチするにはどうすればよいか
後頭下筋は僧帽筋に表面を覆われているため外側からは直接にアプローチできません(押しても指が届かない)。そのためセルフケアのためには遠隔的なアプローチを行っていきます。
方法としては画像の赤い〇をつけてある部位(目のくぼみの部分)をぐーっと10秒から15秒ほど押圧してみて下さい。くれぐれも目を傷つけないようご注意を!!!
なぜ後頭下筋群と眼窩上孔に関連があるのか
側頭部や顔面、目のまわりの感覚を支配している【三叉神経(さんさしんけい)】という神経があります。
この三叉神経は大後頭神経と関係していると言われており、特に三叉神経(の中の特に眼神経)における神経痛は眼窩上孔に圧痛が出ると言われています。
この眼神経は大後頭神経と直接つながっているわけではないものの、ちょうど頭頂部のあたりでお互いに影響しあっていると言われており、眼神経の神経痛が大後頭神経まで伝わってしまうのです。これを大後頭神経・三叉神経複合体(だいこうとうしんけい・さんさしんけいふくごうたい)と呼びます。
よく「目の疲れが原因で肩こりになる」と言われているのは上述のような原因があるのです。
なぜ後頭下筋群がこってしまうのだろう?
このように神経痛の原因となる後頭下筋群のコリですが、これはなぜ起こるのでしょうか?
よくある原因の一つにスマートフォンの操作をはじめとした【長時間の注視(じっと何かを見続けること)】と【長時間の座り姿勢】があります。
猫背で首を前に突き出すような姿勢で長時間いると後頭下筋群には頭を支えるための負荷が集中することになります。すると後頭下筋群に筋硬結が発生し、その筋硬結が神経痛の原因を作るのです。
後頭下筋群は目の動きに合わせて頭を固定しようと働くため、スマホやパソコンに画面をあちこち目で追う事自体が後頭下筋群に負担をかけるのです。
長時間のデジタルディスプレイ(PCやスマホの画面)の注視は目に負担をかけるばかりでなく、不良姿勢や筋肉のコリ、神経痛の原因になるので注意が必要です。
このように後頭下筋群に負担をかけてしまう原因を知ることは予防という意味でもセルフケアのひとつになるはずです。