今回は【すねの痛みの原因】についてご紹介させて頂きます!
詳しくは動画かサマリーをご覧ください↓
サマリー
●今回の記事では【すね=膝から下の脚の前面外側】と仮定する。
●すねには解剖学的に前脛骨筋(ぜんけいこつきん)という筋肉が付着しており、この筋肉に痛みや神経痛が出るとすねが痛くなる。
●前脛骨筋は脚の疲れや負担が出やすく、部位的には身体を支える役割も果たしているため、関節の歪みやトラブルが発生すると痛みを生じる。
●すねの痛みの原因は【筋肉疲労】【足首・膝・股関節の不良(による関節の痛み】【神経痛】の3つに大別される。
●前脛骨筋の支配神経は総腓骨神経(そうひこつしんけい)だが、これはもともと坐骨神経(ざこつしんけい)である。
●筋膜グリップの理論では【サイドライン】と呼ばれる身体の側面を通る筋膜のラインの問題として考え、対処する。
●脚の問題は足関節・膝関節・股関節の問題から発生する。
●高齢者や脚が弱っている人は脚の外側に負担がかかる【腓骨立ち】と呼ばれる状態になるため、施術には注意を要する。
すねの痛み=前脛骨筋の痛み
すねの前面(外側)に付着している筋肉を【前脛骨筋(ぜんけいこつきん)】と言います。
この部分は有名な三里(さんり)というツボがあるなど、脚の疲労を回復するには重要なポイントとして昔から知られています(松尾芭蕉の句にも登場したりします)。
解剖学的には背屈(はいくつ)といって足関節を上に向ける動きの際に活躍します。即ち、歩行の際に非常に重要な役割を果たしており、この筋肉が重度の坐骨神経痛などで障害されると足を引きずって歩かなくてはならなくなります(下垂足と言います)。
この前脛骨筋の痛みは筋肉疲労や関節のアライメント不良(歪み)などによって発生してきますが、当院にご相談が多いのが神経痛による痛みです。
すねの痛みの原因とは何だろう?
すねの痛みの原因は【筋肉疲労】【足首・膝・股関節の不良(による関節の痛み】【神経痛】の3つに大別されます。
まず筋肉的な痛みについては【前脛骨筋(ぜんけいこつきん)】という筋肉に痛みが出ます。
また、関節の痛みは【足首-膝-股関節】の連携がおかしくなると足の支えがおかしくなって痛みが出てきます。よく「脚の外側が張る」といって来院される方がいますが、まさにそれが典型例と言えます。
【足首-膝-股関節】の連携がおかしくなるとよく発生するのが【腓骨立ち】と言われる状態です。すねは【腓骨(ひこつ)】と【脛骨(けいこつ)】という二本の骨によって構成されているのですが、下肢のバランスが崩れると脚の外側に加重がかかってきて、まるで「腓骨で支えるように立つ」状態になることからこのように呼ばれます。
しかしながら腓骨は下腿の外側に位置する脛骨と比べると細い骨であり、ここへ荷重がかかるのは好ましいことではありません。
ちなみに腓骨に加重がかかってくると正常であれば【真横よりやや後方】に位置している腓骨が前方に変位してくるので施術の際に一つの目安となります。
坐骨神経痛によるすねの痛み
股関節付近を通過する坐骨神経(ざこつしんけい)の圧迫によって発生するのがかの有名な坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)です。
すねの筋肉(前脛骨筋)を支配している【総腓骨神経(そうひこつしんけい)】はこの坐骨神経の延長であり、坐骨神経にトラブルが起こると前脛骨筋にも痛みやしびれが出ることがあります。
すねの痛みの施術について
筋膜グリップの理論では前脛骨筋は【サイドライン】と呼ばれる身体の外側を通る筋膜のラインの問題としてとらえ、対処します。
なので脚のみならず体幹や上肢も施術しながら前脛骨筋の痛みが抜けるか調整を行っていきます。
サイドライン上の問題に加えて【足関節・膝関節・股関節】の問題(主に可動域)があれば、そこにも調整を行います。
ちなみに上述の【腓骨立ち】状態の方については注意が必要で、身体の外側で支えて立っている状態ですので、外側のテンションを除去してしまうと返って崩れてしまうリスクがあります(特に高齢の方など)。
その場合にはあえて外側はとらずに内側を蘇らせることで身体の支えが正常に戻るようアプローチしていきます。