股関節に関係するインナーマッスルのお話

今回は【股関節に関係するインナーマッスルについてご紹介させて頂きます!

 

詳しくは動画かサマリーをご覧ください↓

 

 

サマリー

●腸骨筋+大腰筋=腸腰筋

●腸腰筋は重力から人体を守る唯一の筋肉

●腸腰筋にトラブルが起こると骨盤が後傾し、全身のバランスが崩れる

●全身のバランスが崩れることであらゆる不調の原因になり得る

●色々と試してみたけどあと一歩よくならない人は腸腰筋にアプローチする価値アリ

股関節に関与するインナーマッスルとは?

股関節を運動させる代表的なインナーマッスルに【腸腰筋(ちょうようきん)】があります。

 

 

この腸腰筋は【大腰筋(だいようきん)】【腸骨筋(ちょうこつきん)】という2つの筋肉によって構成されており、股関節を90度以上曲げようとするときに働く筋肉(あるいは脊柱を前屈させる)と言われています。

 

余談ですが、この腸腰筋は大腿骨(太ももの骨)の内側に付着しており、筋肉の付着部位が骨折してしまうと股関節が90度以上は屈曲できなくなる【ルドルフ症候】と呼ばれる症状を呈することで知られています。

 

腸腰筋の働きとは何だろう?

上述の通り股関節や脊柱の運動に関与している腸腰筋ですが、数多にある筋肉の中でも【唯一重力から身体を守る】という重要な役割を果たしていると言われています。

 

なぜならこの筋肉は【腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉】なので脊柱がバランスを崩さないように支えてくれている筋肉であり、具体的には骨盤が後ろに倒れないように保持してくれています(=背骨から大腿骨にかけて引っ張り上げてくれている)

 

 

ようはつり橋が落っこちないように支えてくれているケーブルのような役割の筋肉であり、身体全体のバランスはこの腸腰筋という筋肉によって保持されているといって過言ではありません。

 

ちなみに立位(立っている姿勢)を保持するための筋肉のことを抗重力筋(こうじゅうりょくきん)といって、これは腸腰筋(の中の腸骨筋)以外にも腹直筋、脊柱起立筋、大腿四頭筋、大殿筋、中殿筋、腓腹筋、ヒラメ筋、前脛骨筋などがあります。

 

これらの筋肉は重力に対して拮抗する筋肉です。

 

腸腰筋に問題が起こるとどうなる?

腸腰筋に筋力低下や筋膜的な癒着などのトラブルが発生すると骨盤をきちんと支えきれなくなり、結果、骨盤は後傾してきます(正常な骨盤は前傾気味になっている)。

 

骨盤が後傾してくると具体的には腰をクイッと前に突き出すような姿勢になり、背骨の湾曲は崩れて猫背になってきます。

 

その結果、頭部は前方に倒れてくるために重力に引っ張られて身体全体のバランスが崩れてしまうのです。

 

この身体全体のバランスの崩れは腰痛や肩首のコリのみならず、多くの不調の原因になります。起こり得る不調は概ね以下の通りです。

 

●全身のバランスの崩れによる関節や筋肉の痛み

●筋硬結や関節アライメントの不良から発生する神経圧迫

●神経圧迫から生じる痺れ

●呼吸器の圧迫

●臓器の圧迫

●血行障害

●自律神経障害

●頭痛などの神経痛

 

最後に

腸腰筋は整体・マッサージの業界では特に腰痛に関与する筋肉として扱われることが多いのですが、今回ご紹介させて頂きました通り【唯一、重力から人体を守ってくれている筋肉】という重要な役割を持っています。

 

そのため、腸腰筋に不具合が発生すると腰痛のみならず万病のもとになってしまうと言って過言ではありません。

 

腸腰筋はいわゆるインナーマッスルと呼ばれる深層に存在する筋肉のため、外側からコンタクトすることが困難です。

 

そのため筋膜整体の施術においても筋膜を経由したアプローチに留まっていますが、生理痛が軽くなったなど存外な効果が出た事例もあり、施術において重要なポイントのひとつになっています。

 

色々と施術は試してみたけどもう一歩のところで良くならない・・・。そんな方は腸腰筋にアプローチしてみると面白い結果が出るかもしれません。