変形性関節症の施術ポイント
今回は変形性関節症とはどんなものか、そして施術はどのように行うかについてご紹介させて頂きます!

 

詳しくは動画かサマリーをご覧ください↓

 

サマリー

●変形性関節症は元に戻ることはない(不可逆変性)
●しかしながら【変形=痛み】では必ずしもない。
●股関節 ⇔ 膝 ⇔ 足関節の連携に問題が発生しお互いに補い合った結果、痛みや変形が発生する。
●膝のケアのためには股関節や足関節へのアプローチが必須となる。

変形性関節症(Osteoarthritis/OA)とは何だろう?

変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)とは、関節軟骨の変形や摩耗に伴い炎症や痛み、関節の変形が起こるものです。 ひざ関節や股関節、足関節などによくみられます。

 

 

比較的、女性に多くみられ(男女比は1:4で女性が多い)、高齢者になるほど多くなります。

 

この変形性関節症が膝(ひざ)関節に起こると【変形性膝関節症】、股関節に起こると【変形性股関節症】と呼ばれます。

 

主な症状は関節の炎症に伴う【痛み】【水がたまる】【骨の変形】などです。また、一度変形してしまった関節は元に戻ることはありません(これを不可逆性変性(ふかぎゃくせいへんせい)といいます)

変形性関節症の原因と施術

変形性関節症が発生する原因には諸説ありますが、例えば変形性膝関節症の場合、【日本人は下腿(すね)の骨が内側に わん曲していることから内側の軟骨ばかりに負担がかかり軟骨が擦り減ってしまうため】という説があります。

 

 

 

ようはO脚になりやすく、O脚が変形性膝関節症に発展してしまうというわけです。

 

変形性股関節症の場合は股関節の先天的な奇形(先天性股関節脱臼や先天性臼蓋形成不全( きゅうがいけいせいふぜん ) )が原因で発生するケースが9割を占めると言われています。

 

いずれにせよ言えることは股関節 ⇔ 膝 ⇔ 足関節の連携に問題が発生しお互いに補い合った結果、痛みや変形が発生するため、施術においては股関節 ⇔ 膝 ⇔ 足関節の連携を正常なものに整えてあげることが必要であり、痛みを訴える部位のみにフォーカスしていては一向に症状が改善しません。

加えて筋膜整体の施術においては呼吸力の低下や噛みしめなども全身の姿勢バランスを崩してしまう原因と捉え、施術を行っていきます(姿勢バランスの崩れが脚の関節に負荷をかける原因になる)。

 

また、変形性関節症の方の中には痛みがまったくない(あるいは変形している部位と別の部位を痛がる)方も一定数います。

 

それはいったい何故でしょうか?

変形性関節症なのに痛みがない?

人間は加齢とともに大なり小なり関節が変形してきますが、すべての方が痛みを訴えるわけではないのは周知の通りかと思います。即ち【変形=痛み】では必ずしもないわけです。
また、痛みが無い場合の変形性関節症は変形の原因が痛い部位のみではないケースがあります。ようは変形性関節症を誘発した原因が他の部位にあるため変形している部位があまり痛まないのです(あるいは変形している部位と別の部位が痛む)。

 

筋膜整体の理論においては股関節 ⇔ 膝 ⇔ 足関節がそれぞれに連携しており、下記のような役割を果たしていると捉えています。

 

●股関節:メイン動力
●膝:クッション
●足首:サブ動力と支える機能

 

即ち、股関節が力を発揮できなくなったら膝や足首がフォローする、足首で支えられなくなったら股関節や膝がフォローするという関係性があり、筋力の低下などが原因で正常な関節運動ができなくなった結果、股関節や膝に変形を引き起こすというわけです。

 

余談ですが、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)と言われて歩行時の痛みを訴え来院された顧客様がいたのですが、その方の痛みの原因の大部分は膝関節だったというケースもあります。
その事例についてはまた改めてご紹介させて頂こうと思います。