今回は【歯医者へ行っても原因がわからない奥歯の痛み】についてご紹介させて頂きます!
詳しくは動画かサマリーをご覧ください↓
サマリー
当院でもしばしばご相談がある【原因不明の奥歯の痛み】ですが、実は奥歯自体が痛んでいるのではなく顎関節(がくかんせつ=アゴの関節)や三叉神経(さんさしんけい)の痛みが奥歯の痛みのように誤認識されているケースがあります。
今回は当院にご相談があった40代男性(以下、Rさん)のケースについてご紹介させて頂きます。
ある朝起きたら右の奥歯が痛い
それはお盆の帰省先でのことでした。
仕事の出張先で滞在したホテルでのこと、起床後から右の奥歯がズキズキと痛いことに気がついたRさん。「参ったなぁ・・・。親知らずが伸びてきたんだろうか?でも長崎だし、知っている病院もないしなぁ・・・」と痛いながらに我慢されることを選んだそうです。
痛みが辛くて歯医者へ行くも原因不明
翌日も翌々日も痛む奥歯に困り果て、近所の歯科へ行ってみたが「歯には問題なし」とのこと。
結局、原因がわからず、肩首の痛みや頭痛も出てきたことから長崎より戻られた直後に当院にご相談がありました。
お身体を拝見させて頂き、いくつかの質問をしたところおおよそ以下のようなことがわかってきました。
〇実は以前にも同じような歯痛があったことがある。
〇前回も原因不明だったが、放置したら良くなった
〇口を閉じるときより開けるときの方が痛い
以上から、本件は恐らく歯自体のトラブルではないんじゃ!?と私は考えました。
口を開けるときが一番痛い→顎関節では!?
歯のトラブルなのであれば歯科へ行った時点で問題が発覚するでしょう。
また、歯茎や歯自体が刺激されるであろう「噛む」動作よりも「口を開ける」動作の方が痛みが増すとの訴えから「歯ではなく顎関節や顎関節に関係する神経に痛みが出ているのでは?」と予測し、施術を行いました。
するとどうでしょう・・・。Rさん曰く「奥歯の痛みがさっきよりも軽くなってきました!」とのこと。顎関節へのアプローチで症状が軽減したことから、恐らく歯そのものではなく顎関節の問題の方がパーセンテージが大きかったものと考えられます。
なぜ顎関節が原因で奥歯の痛みを感じていたのか!?
まず部位的な問題があるのですが、顎関節は「耳の穴の前あたり」にあります。口を開けるときに触ると判るのですが、耳の穴の前のあたりが口を開けていくとググっと開いていくのが感じられると思います。
顎関節の問題が発生すると上記の部分が痛みを発するのですが、この部分が痛むとあたかも奥歯が痛いように錯覚するわけです。
また、顎関節を動かす筋肉(=そしゃく筋)を支配している下顎神経(かがくしんけい)があります。この神経は三叉神経と呼ばれる神経の一部なのですが、この下顎神経が司っている感覚の領域が耳の前あたりからアゴの前面にかけてなのです。
よって「顎関節のトラブル」「そしゃく筋のトラブル」左記の原因によって発生する「神経痛」などのキーワードの中で考えていくと「歯科ではわからなかった原因不明の奥歯の痛み」の犯人のあたりがついてくることと思います。
顎関節への施術について
完全に外れてしまっている顎関節脱臼は別として、顎関節に関するトラブルに対する施術は顎関節自体をモロにターゲットにしないほうがベターと私は考えています。
むしろ顎関節に関与している強力な筋肉(噛む力は30キロほどの力があると言われています・・・)の働きを正常に戻すことであったり、それらのアゴを取り囲む筋肉の過度な緊張状態が解除されるように遠隔的に操作を施術では行います。
アゴの関節に関与するポイントは首の前面や意外なところだと脚にあったりします。強い痛みを訴える方が多数ですが、それだけ現代人が問題を持っている箇所といえるでしょう。
最後に
今回は歯痛だと思ったら顎関節のトラブルだった!という事例についてご紹介させて頂きました。
どうも当院のホームページでは肩こりや腰痛よりも顎関節についてご紹介することが多い気がしますが、それだけ現代人の様々な不調の原因になる箇所でもあります。
歯科でも原因がわからなかった歯の痛みに身に覚えがある方、ぜひご相談頂けたらと思います。