腓骨筋群と噛みしめは関係があります。

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【足の外側の痛み】という検索キーワードで訪問下さっているユーザーさんが多いようですので、今回は【脚の外側の痛み】に関する意外な原因をご紹介させて頂こうと思います。

 

顎関節と下腿外側は連動している!?

脚の外側の痛みの原因は様々ですが、意外な原因の一つに下顎(したあご)のポジションがあります。

アゴと下腿(すね)に関係性があるなどと言われても全くピンと来ない方が多いのではないでしょうか?実際にアゴとすねは離れており、一見して何の協調関係も感じられないかと思います。

しかしながら、臨床的には【下顎(アゴ)】と【下腿(すね)外側】には密接な因果関係があります。

具体的には下半身の内側にある筋肉が衰えたり筋膜的な癒着によりうまく筋肉が動作しなくなってくると身体は脚の外側で体重を支えようとします(脚の外側に加重がかかった状態になる)。この状態は腓骨筋群の負担増や癒着の原因となり、外荷重、あるいは”腓骨立ち”と呼ばれる状態になります。

 

脚の支えが不安定になって全身のバランスが崩れてくると結果として下顎(したあご)がずれてくるため、顎関節症(アゴ周りの筋肉の負担が増大した結果)の原因になることがあります。

もちろんその逆もしかりで、下あごの状態が良くない方は下腿や腓骨に問題を抱えていたりします。それでは下腿・腓骨の問題とはどのようなものなのでしょうか?

腓骨のポジションがおかしくなる!?

腓骨(ひこつ)とは下腿(すね)の外側に位置する細い骨のことです。下腿は脛骨(けいこつ)と腓骨の2本の骨で成り立っています。

この脛骨と腓骨はお互いに関節を形成しており可動性があります。動きとしては主に回旋運動(ねじる運動)で、腓骨と脛骨があるから足首をねじる運動ができるわけです。

 

かたや関節があるということは骨を取り巻く筋肉や筋膜の状態によって骨の位置が影響を受けるという事になります。この腓骨という骨は脚の内側の筋肉に問題が起こってくると外側(やや前方)に変位(ずれてくる)してくる特徴があります。

 

目安としては正常な腓骨は下腿に対してやや後ろ側にあるが、触った時に下腿の真横に腓骨が来ているような人は腓骨の変位が疑われます。

このような変位があると皮膚や筋膜ごと下腿にねじれが発生してくるため、結果として全身のバランスをおかしくしてしまうのです。

 

腓骨のポジションを整えることで何が起こる!?

腓骨のポジションを整えると下腿のねじれがとれて下腿外側の痛みや違和感がとれてくるばかりか全身のバランスが変わってきます。

下顎(アゴのライン)について言えば下顎のラインに付着している筋肉の硬結具合をビフォアアフターで確認すると明らかに下顎まわりの筋肉の硬結や圧痛が変化してきます。

このように下顎と下腿外側には因果関係があります。ちなみに左あごの筋硬結・圧痛が強い場合には左脚の外側に加重がかかっている可能性が示唆されます。

あなたは下あごのどちらがより硬くなっていたり痛いでしょうか?

脚の腓骨筋群へのアプローチで肩首のコリをとる!

下顎は広頚筋をはじめとする首の前面を覆う筋肉の付着部位にもなっているため、首自体のみならず鎖骨の動きにも関係しています。また、鎖骨は肩甲骨と繋がりをもっているため、肩や腕との関係性も出てくることになります。

下半身の内側にある筋肉が衰えたり癒着によりうまく使えなくなってきた結果、脚の外側に加重がかかった状態になると下顎がずれてくるため、顎関節症や肩こり首こりの原因になります。

肩首のコリやアゴ周りの不調を抱えている方は足首や下腿の状態をしっかりとみてあげる必要があるのです。

最後に

今回は脚(下腿)の外側の痛みと下あごのポジションの因果関係についてご紹介させて頂きました。他にも脚の外側の痛みと関係がある【意外な原因】は存在しますのでまた改めてご紹介させて頂こうと思います。